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 Q & A

Q1:  どういう構想ですか。
A1:  知床が世界自然遺産にふさわしいかどうかを審査した国際自然保護連合(IUCN)は、2005年のユネスコ総会に先立ち、「技術評価書」というのを日本政府とユネスコに提出しました。この中に、「近隣諸島」という項目があります。そこには次のように書かれています。

 「知床と近隣の諸島には、環境や生態に類似性があるのは明確である。この地域の生態については、日本とロシアの研究者間の非公式の交流もある。将来、この地域を広範な『世界遺産平和公園』として発展させることも可能である」。

 ここで指摘している「近隣諸島」というのは、北方四島のことを意味しているとみられますが、現在はロシアが実効支配しており、文字通り「係争地」です。

 しかし、ウルップ島まで含めた場合、北方四島が共通項になって、主権に関してお互いの主張に抵触することはありません。それなら日本政府もロシア政府も受け入れられると考えました。

Q2: では、どうして知床を遺産に推薦するときに、北方四島とウルップ島を含めた遺産をロシアと検討しなかったのですか?
A2:  国境問題があるため、登録が見送られた場所があります。「世界遺産資料館」を管理している浦野喬さんによると、パキスタンが申請した「中央カラコルム」は、ユネスコに登録申請後、カシミール問題の解決を求められました。結局登録可否の審議にかけられることなく、そのまま登録は見送られ、現在に至っています。

 世界遺産条約第11条3は「世界遺産一覧表に物件を記載するに当たっては、当該国の同意を必要とする。二以上の国が主権又は管轄権を主張している領域内に存在する物件を記載することは、その紛争の当事国の権利にいかなる影響も及ぼすものではない」と規定していますが、現実には上記のようなケースがあり、仮に知床の申請に対し、ロシアと連動して北方四島やウルップ島を含めた申請をしても、登録が見送られてしまうる恐れがありました。

Q3: どうしていま、こうした運動を始めたのですか?
A3:  理由は3つあります。ソ連崩壊後、北方四島では急速な資本主義化でカニやウニなどの水産物の密漁と乱獲が激化しました。収益の大半は、日露の経済マフィアが独占しています。こうしたフィッシュマネーロンダリングを何とか食い止めないと、資源が枯渇してしまう恐れがあります。

 2つめの理由は、原油価格の高騰で、ロシアは空前のバブルにわいています。ロシア政府は昨年から千島列島に9年間で800億円という巨額の予算を投入する「クリル社会経済発展計画」に着手しました。港湾や空港、道路建設、地熱発電などのエネルギー開発などインフラの整備が猛スピードで進んでいます。このままでは、豊かな生態系に暮らすシマフクロウなどの希少な野生動物が、トキやコウノトリのように追い込まれてしまう危険性があります。

 第3に、地球環境の保全を主要テーマとする「北海道洞爺湖サミット」が7月に開かれるので、日露の両首脳に検討を始めてもらう絶好の機会だと思いました。

Q4: 拡張がどうして日露間の平和条約交渉に資するのですか?
A4:  世界自然遺産ではありませんが、国境問題を含む係争地で「平和公園」が紛争終結の条項の一つとして和平に貢献した例があります。

 南米・エクアドルとペルーの国境を隔てる「コンドル山脈」は1830年代から紛争が絶えませんでしたが、国境画定交渉に1997年1月着手しました。そして98年10月に和平協定に調印し、99年5月、国境を画定しました。

 国境画定に先立ち、ペルー政府は99年、ペルーの北東部に位置する同山脈の南側に先住民コミュニティの持続可能な森林経営をめざす「サンティアゴ・コマイナ保護区」を設定しました。両国は同山脈を共同のエコロジー・パークとし、軍や警察を常駐させないことなどを決めました。

 ペルーとエクアドルのケースでは、自然環境の保全が、このような形で和平にも影響しており、日露間でも、領土交渉に良い影響を及ぼすかもしれません。

Q5: どういう活動をしていくのですか?
A5:  まずは5〜6月にかけて東京と北海道でシンポジウムを開催する予定で準備を進めています。

 また、構想に賛同していただいているNPO法人「北の海の動物センター」会長の大泰司紀之・北海道大学名誉教授らが、5月に岩波書店からカラー新書『知床・北方四島』を出版します。この本は、カラー写真を130枚以上を使って北方四島の生態系の豊かさが示されている書物だそうです。

Q6: 北方四島に住んでいた方々の反発はありませんか?
A6:  元島民や後継者の皆さんでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」の小泉敏夫理事長からは「とても良い構想だ。われわれとしても、『宝の島が戻ってきたとき、それが空の島だった』では悲しい。今度のサミットは絶好のチャンスだと思います」と賛同していただきました。他の元島民の皆さまからも支援をいただけると思います。

Q7: 構想にロシアが乗ってくるでしょうか?
A7:  分かりません。ロシアはいまナショナリズムが台頭しているので、領土問題での譲歩はかなり難しいとみられますが、環境問題であれば話のテーブルには乗ってくるのではないかと思います。 





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